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内科/内分泌科のすすめ医局とは(医局のメリット・デメリット)

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内科・内分泌内科のすすめ

医師として

 医師になって分かったことの一つに、医師として治すことができる病気がいかに少ないかということがあります。ただ、治らない病気だからこそ、いかに、どのように、病気と付き合っていったらよいのか、今後どういうことが予想されるのかということを、患者さんや家族に十分説明することが、重要だということも分かりました。そして、そういう中でうまくコミュニケーションをとって行くには、自信を持って話せるだけの十分な知識と経験がなくてはいけませんし、またよく年配の先生方が医療がアート(芸術)だと言われるように、患者さんや家族の性格、生活背景、病状を総合的に考えた上で、もっとも適した治療を選ぶ(場合によっては無治療を選ぶ)ことが大事であることも分かりました。臨床医になる大前提は常識的な人との接し方ができることでしょうか。もちろん、ただ愛想がよければ良いわけではありません。薬一つにしても、容量や使い方によっては命に関わる場合もあり、常に、科学的なものの考え方と経験的な根拠をもって、患者さんと接する必要があり、その責任感と緊張感が、またやりがいにつながっていくものかと思います。

内科医として

 内科医のおもしろさのひとつに、年齢、性別、家族歴、症状から病態を見極める能力があります。最初は、胸が痛いといったら教科書に書いてあるように、いくつも鑑別診断が、重要とそうでないもの、頻度が多いもの少ないものの区別なく上がり、それにあわせて必要な検査が山ほど浮かび、とても診断なんてつかないように思いましたが、内科医になって経験を積むと、主訴と患者さんの顔をみれば、ああこれだな、とおよそ見当がつくようになってきました。不思議なものです。
 もちろん、その思い込みが間違う時もあり、常に他の疾患も考えながら、feed backしながら、すすめなければなりませんが・・・。

内分泌代謝内科医として

 内分泌内科をやっていると、外来で最も多い、高血圧、高脂血症、糖尿病、甲状腺と言った疾患に強くなります。さらに、不定愁訴の患者さんが来ても、甲状腺異常や高カルシウム血症など、何か隠れていないかと、興味をもって見られます。また、よくある高血圧、糖尿病の患者さんと思っても、実はクッシング症候群や先端巨大症の患者さんが隠れていることもあり、そういう目で、頻度の多い疾患も興味をもって見ることができるようになります。
 内分泌代謝内科で多い疾患といえば、糖尿病ですが、ひとくちに糖尿病といっても、患者さんは実に様々で、それは1型2型はもちろん、合併症の具合、生活背景、性格等考慮すると、一人として同じ患者さんはおらず、一人一人にあった治療法を考えるのも専門医ならではの仕事です。現在では、家庭環境や仕事の問題も複雑で、ただ病気だけをみて治療法を考えても、到底実践できないということになりかねません。また、誰でも知っているインスリンですが、その種類、使用法は、患者さんの生活背景、ADL等により、実にさまざまな方法があり、また内服薬といっても、SU剤の使い分けから、インスリン抵抗性改善薬やα-GIなど、非常に多彩で、専門医がいかに患者さんにあった薬を選択できるか腕の見せ所です。
 他にも高脂血症や、甲状腺が多い疾患群ですが、甲状腺に関しては、意外に患者さんに誤解が多く、先を見通した丁寧な説明をすると、それだけでも非常に喜んでくれます。バセドウ病に関しては、不安定な精神状態や長引く治療やその副作用の問題もあり、十分な説明の上で、治療を行わないと、うまくいかないことが多いです。そのほかにも、他科からの副腎偶発腫瘍の精査依頼が多く、クッシング症候群やアルドステロン症、褐色細胞腫の鑑別をおこなっていきます。
 内分泌科は、消化器科や呼吸器科・循環器科と比べ、病棟診療より外来診療が中心の科です。そして、糖尿病や甲状腺、さらに高脂血症や高血圧まで含めると外来における対象患者さんが非常に多い科でもあり、外来は一見簡単そうで非常に奥が深く、難しくもあります。その分、専門家としての腕の見せ所がたくさんあり、おもしろく、また内科として開業した時に最も役立つ科でもあります。それにも関わらずなり手が少ない原因の一つが、現在の研修システムにあると思います。現在の病棟を中心とした研修では、内分泌患者さんに接する機会が少なく、教育入院の患者さんを持つくらいでは、内分泌科のおもしろさがほとんど分からないばかりか、つまらないと感じてしまう可能性があります。実際僕もそうでした。現在その点について何か改善できないか試行錯誤しているところです。僕自身が、内分泌を選択したのは、学生時代にボランティアで小児糖尿病キャンプに参加して興味を持ったことと、親戚のおじいさんが糖尿病に悩まされていたのを見ていたことがきっかけで、いろいろ悩みましたが、最終的に内分泌科を選択しました。今は、内分泌をやって非常に良かったと思っています。
 一人でも多くの内分泌科医が増えることを祈っています。
 興味があれば、気軽に相談してください。もちろん見学も随時受付中です。
医学生・研修医の皆さんへ 医局とは・・・医局のメリット・デメリット(私的な意見です)

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